2017年8月7日
こんにちは、未来ラボのかおりです。
田んぼと里山の景色が広がる睦沢町。この時期は黄金色に色づいた稲穂がとても綺麗です。
このあたりの収穫はお盆すぎから。収穫まであともう少しです。
米農家さんが多い印象のむつざわですが、兼業で農業に取り組んでいらっしゃる方も多く、道の駅にはお米以外に、睦沢産のお野菜がたくさん並んでいます。
最近では、スーパーなどではあまり見かけないちょっと変わったお野菜が並ぶようになりました。
というのは、家庭菜園でいろんな野菜を育てていたアマチュア農家さんを、町が積極的にサポートし、プロとして野菜を出荷してもらえるような取り組みを行っているからなんです。
今日は、その取り組みの一環として実施した「農業塾」に参加したことがきっかけで、道の駅への出荷をはじめた若菜洋子さんにお話を伺ってきました。
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「今日は、大豆を植えていたんです」
畑を案内いただくと、大豆の苗が整然と並んでいました。
畑の右隣に見えるのは、田んぼ。
この畑も以前は田んぼだったそう。畑を増やしたい若菜さんの要望に応えてご主人が土壌改良や耕耘などの力仕事を手伝ってくれ、畑として生まれ変わったそうです。
野菜づくりは睦沢町に嫁いできてからという若菜さん。
アマチュアとはいえ、キャリアは長く、知識も豊富。何より、野菜づくりへの意欲がすごい。
「昔から野菜を育てることが楽しくて、毎日、朝起きたら、まず畑へ行くんです。時間ができたら、また畑へ!いつも育てているお野菜たちが気になってしかたがないの。」
そう言う若菜さんの表情はイキイキとしていました。本当はその表情を写真に収めたかったのですが、恥ずかしいということで、今回は横顔の写真を撮らせていただきました。
手に持っている黄緑色の茄子が、若菜さんが出荷している「すて~き茄子」
ステーキのように油で焼くととろりと美味しい品種の茄子ということと、素敵をかけて、命名したそうです。ひらがなを使ったのにも女性ならではのこだわりが感じられます。
美味しく食べてもらえるようにレシピをつけたり、自分が作ったお野菜だと分かるようにシールを作ったり、創意工夫を凝らすことも楽しいとおっしゃっていました。
かわいらしいオリジナルのラベルやレシピ。パソコンなどでの作業は娘さんにお願いして手づくりしているそうです。
もともとは、自分たちが食べるために作っていた野菜。それを販売しようとしたきっかけは、町の農業塾への参加だったそうです。
その農業塾で、若菜さんと同じような環境で野菜を作っている人の中に、道の駅に出荷している人がいることを知り「私の野菜も売れるかな?」そう思ったところに、町のサポートという後押しがあって、出荷してみようと決めたのだとか。
「売るためにちょっとした手続きは必要となるけれど、それよりも、自分の育てたお野菜が、商品として店頭に並び、買ってくださる人がいる。美味しいと食べてくださる人がいる。それがすごく生きがいになっているんです。」
そうおっしゃる若菜さんの目はキラキラと輝いていました。
自分たちで食べるために作っていた野菜だから、若菜さんのお野菜は完全無農薬です。
出荷するようになった今も、変わらず無農薬。寒冷紗をかけたり、虫を見つけたらすぐ手で捕殺したりと、手をかけて育てているそうです。
それも、大規模農業ではなく小規模で多品種を育てている若菜さんならでは。
畑がご自宅のすぐ前にあり、思い立ったらすぐにお世話できるという環境も、無農薬で美味しい野菜ができる理由のひとつかもしれません。
秋に向けて、いろいろな里芋を出荷予定だそうです。八ツ頭、えび芋、たけのこ芋など、これまたちょっと変わった品種の里芋を育てていらっしゃいました。
若菜さんのお野菜は、道の駅で取り扱っています。
ぜひ、若菜さんの愛情のこもったお野菜を味わってください!
この記事は「むつざわに来てね」に掲載された記事の転載です。
取材・文・写真:むつざわ未来ラボ 小林かおり