住民主体の移動サービスが始動しました!

2020年11月6日

こんにちは、未来ラボのかおりです。

2年間の町民ワークショップ、試験運行を経てこの11月から、ボランティアによる住民主体の移動サービス「でかけっCAR」の運行がはじまりました!

毎週月曜日の午前中、役場や郵便局、ハヤシ、道の駅へボランティアドライバーが送迎するサービスです。

* * *

始まりは2018年。
睦沢町には駅もなく、路線バスも平日のみ(現在は休日も運行されています)。自家用車で移動をしている住民がほとんどだけど、それだけで大丈夫?高齢者になっても移動に困らないように、みんなで交通問題について考えよう、という呼びかけで町民ワークショップが始まりました。

参加したのは、移動に困っている方はもちろん、将来に不安がある方、家族の送迎が大変という方、介護や福祉の仕事をされている方、普段からボランティア活動をしていて交通問題に興味がある方など。

私もこのワークショップのファシリテーターとして参加したので、運行が開始されるまでの経緯や現状をご紹介したいと思います。

1年目は、状況や課題の整理から始まり、現状の交通手段になぜ不便を感じ、新しい交通手段を必要としているのか、その需要と供給のバランスにあった交通手段として適しているのは何なのか。解決策や改善策の検討を行いました。

ヒントとなったのは、以前運行していた町内の巡回バス。なぜ利用者数が伸びなかったのか。本数が少ないのはもちろん、バス停まで遠い、あちこち行くので時間がかかる、といった声もありました。そして、ほとんどの皆さんが、家族や友人などに送迎してもらう「たすけあい」で解決していたので、バスに乗らなくても移動できていた、ということ。

道路運送法や国土交通省の資料などを元に、ワークショップでの勉強も行いました。その中でボランティアなど地域住民自らが交通をつくり「たすけあい」をシステム化して無償で運送を行っている地域があることを知り、視察にも行きました。

まずはボランティア運行で費用をおさえながら、実際に困っている方のニーズにあったサービスを錯誤をしながら構築すること。将来的にボランティアでは運行が回せないほどの規模になったとき、その仕組みを生かし、ある程度の費用をかけて、交通事業者や社協、NPOなどへ運行主体を変更していくことを視野に入れたシステムを作ろうという結論に至りました。

そのスタートとなる「小さな仕組み」を作るためにワークショップの参加者が中心となり「くらしの足プロジェクト」が立ち上がりました。

くらしの足プロジェクトのミーティングの様子

2年目は試験運行の実施を目標に、実際にどういった交通システムにするかの検討。町内を乗り合いで運行する「ちょこっとバス」と、行き先を限定したデマンド交通「でかけっCAR」の2種類のシステムを構築し、試験運行を実施しました。

計画にあたっては他の地域の事例をそのまま当てはめても睦沢町の状況にはあわないこともあるので、様々な事例を組み合わせて睦沢町のニーズや地域特性にあったシステムにすること、また、リスクマネジメントなどは経験者であるNPOの方にアドバイスをいただくこと、そして長く活動を続けていくためにランニングコストを押さえ資金が最小限ですむ運営をするということ。

最も重要視したのは「たすけあい」。今は家族や友だちに送迎してもらい「たすけあい」で移動ができている方も、いずれ高齢化がすすみその「たすけあい」ができなくなったとき。本当に困ったとき。そのときに代りとなるような交通システムであることを目標としました。

人の命を預かることですから、安全対策も万全に整えなければなりません。移動サービス専用の保険に加入するほか、ボランティアドライバーは国土交通省認定講習を行っている認定NPO法人の運転者講習と、実際に睦沢町内を走行しての実技講習も行いました。実地での運転講習をしているところは、なかなかないのではないでしょうか。死角になりやすい交差点や一時停止の標識がなくても注意すべき所などを具体的に把握できたことは、受講したボランティアドライバーの皆さんの安全運転につながると思います。

3年目は、新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか本格稼働がスタートできませんでしたが、その間もシステムの改善をすすめました。デマンド交通をボランティアで運行すると、利用者さんが気兼ねして乗りにくいこと(私のためだけに無償でボランティアさんが送ってくれるのは心苦しいという感想が多かった)、「バス」という名前だと「予約」よりも「定時運行」のイメージが拭えないこと。

結局、名称は「でかけっCAR」に統一し、行き先を限定した予約制の乗り合い交通となりました。

10月には実際に試乗をしてもらい説明会を開催。多くの方が集まってくださいました。

現在は、会員制・予約制で毎週月曜日の午前中、ご自宅近くからハヤシなど決まった場所へ、ボランティアドライバーが乗り合いで送迎する「でかけっCAR」を運行しています。(ガソリン代の実費として利用負担金1回100円を頂戴しています)

お友だち同士で乗車しておしゃべりを楽しむ方。
普段はご主人と一緒に買い物をしているけれどたまには1人で気兼ねなく買い物を楽しみたいという方。
道の駅の温泉に入りに行く方。
役場や郵便局へ用事を済ませに行く方。

使い方は皆それぞれですが、車内はいつも楽しい会話で和やかです。

「月曜日はでかけっCARでおでかけしよう!」

くらしの中で工夫をしながら、かけっCARを上手につかっていただけたら嬉しいです。もしお出かけにお困りの方がいらしたら、月曜日に、ぜひ一度試乗してみてください。

くらしの足むつざわ
代表:中村 方則 副代表:香焼 正利 事務局:小林 かおり
問合せ先:kurashi.no.ashi.6238@gmail.com


この記事は「むつざわに来てね」に掲載された記事の転載です。
取材・文・写真:むつざわ未来ラボ 小林かおり

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